チビクロ・パーティ

Chibikuro Party

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10年飼ったダヤンが病気で死んだ後、「チップ」という名の黒い猫がやってきました。
「本物のチップは、陽気で、冒険好きの頼もしい猫でした。」

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チップのモデルにもなった”チップ”のお話

快男児なんて今はほとんと聞かないけど、チップを思う時私の頭の中では「快男児」という言葉が点滅する。映像でいえば三銃士のダルタニアンに扮したダグラス・フェアバンクス。えっ知らないって?
そりゃそうだ。じゃ強くって陽気で無鉄砲で豪快な今の人って誰だ?
あっ、エディ・マーフィなんかそうかも。
ちなみにチップとはダヤンと入れ替わりにうちに来た黒猫のこと。ダヤンは娘の舞子が生まれてからずっと一緒だったけど、舞子が小学校二年の夏、具合が悪くなって入院した。拾い猫なのでほんとの年は分からないけどたぶん老衰で、入院後まもなく死んでしまった。
あいにく舞子が夫の実家伊勢に行っているときで、電話口で舞子はわあわあ泣いた。それから二、三日後義兄に送られ帰ってきたが、さぞしょんぼりしていると思いきや、なんと小さな黒猫を抱いて意気揚々と車から降りてきた。ダヤンを亡くした舞子の嘆きを見かねて、伊勢の人たちは大急ぎで猫を調達したとみえる。ちなみに伊勢の実家はそろって猫好きで現在も一ダースほどの猫がいる。
ちょうどその頃二冊目の絵本「ちびくろパーティ」が出版され、絵本の中ではダヤンの影がチップという名だったのでちびの黒猫は迷わずチップと名づけられた。ダヤンが内にこもる神秘的な猫だったのに引き換え、チップは開けっぴろげのおっちょこちょいだった。

出入り口になっていたトイレの戸もダヤンはひっそりと自分の幅だけあけて入ってくるのに、チップときたら大威張りで「おれ様のお帰り!」とばかりバーンと大音響で戸を開け放つ。ダヤンは出かけるのが嫌いだったが、チップは仕事に行く時でさえ駐車場までついてきて「さあ行こう」とばかり車の上に乗ってしまう。蓼科では一度死にぞこなっている。ベランダの安全な場所につないで出かけたところ、どうやったのかベランダから飛び降りたとみえ、帰った時には足がかろうじて地面につく状態で首に紐を引っかけ、それでも首が絞まらないようよたよた立ってがんばっていた。
大きくなるほどにチップはますますやんちゃで冒険好きになっていき、そして一年後我が家は引越しすることになったが、その一週間前のこと。チップの姿がふいと消えてしまった。私達は心配して毎晩探し回り、引越し先もさほど遠くなかったので引越し後も元の家の周辺を探したが行方はようとして知れなかった。猫は家につくから引越しを察知していなくなるというけれど、チップは引越しをこれ幸いに、とうとう冒険の旅に出かけたに違いないと私は思っている。

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