ヨールカ

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セントニコラウス:雪の神に代わってわちふぃーるどを守る番人。
雪狼、霜狼:雪の神に命じられて、わちふぃーるどを雪と氷の
バリヤーで守っている使い。

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北のはずれにある、ノーストゥントリ山脈の、ひときわ険しい峡谷のふもとに、その昔栄えた巨人族の都であったと思われる遺跡があります。
その一番北よりのはじに、クラックケイブという洞窟があって、この洞窟は、地下に伸びて、西のはじの山脈にある、トレジャーリバーに続くといわれていますが、今では、そのことを知っているものも、ほんの少しになってしまいました。
セントニコラウスは、その昔から、クラックケイブと深く関わりあって時を重ねてきた人でした。彼はもともと、アビルトークの人間でしたが、孤立した”わちふぃーるど”の番人として、時の魔法をかけられ、一年のうちの9日間のみ目覚め、善をほめ、悪をたしなめ、ヨールカを祝福し、また長い眠りにつくのでした。
さて、12月24日、外は雪の勢いが増し、ヒュウヒュウという雪風にまじって、グルルという低い声が聞こえはじめ、そのうちに、2匹の狼たちの姿が、幻のように見えたり、見えなくなったりしはじめました。ニコラウスは、時が満ちたのを感じると立ちあがり、大きな重い、しかしすばらしい飾りの彫りこまれている木箱のふたを開けました。12の月の金の鈴、銀の光をたたえたランプ、自分の本当の姿が映る鏡(これは悪をあばくためです)、獣の心をつかさどるためのギニイという木の枝、そして最後に大きな大きな袋を取り出しました。
外では、今やはっきりと見てとることのできる姿になった雪狼・霜狼が、うなりながら飛びまわり、その姿は大変恐ろしく、また、気高くも見えました。ニコラウスは、口笛を吹いてから彼らを呼び寄せ、そりに従え、ギニイの枝をピシッと打ち鳴らしました。
枝からは、魔法の気配が漂い出て、風がビュウとうなったかと思うと、最初の鈴の音とともに、そりは勢いよく宙に舞いあがりました。

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