蓼科の冬

Tateshina Diary

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わちふぃーるどと同じ空気が流れている蓼科。
池田あきこ先生の蓼科の冬の思い出をご紹介します。
楽しいおはなしがいっぱいです。お楽しみ下さい!!

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ぬくぬくすること
燃える火を見ていると心が寛ぐのはどうしてなんだろう。
私は火事で母を亡くしている。それ以来火を見るのがいやになるかと思ったがまったくそんな事はない。
個人的な感情など吹き飛ばすほど、太古の昔から人間が持っている火への信頼感というのは大きいのだろうか。
ストーブの小さい扉を開けてただぼんやりと火を見ているのはいいものだ。
誰でもそうだとみえて、大勢来ている時は誰かがストーブの前に座って火の番をしている。
薪はふんだんに補充され、ふいごで風がブコブコ送り込まれて火はいやがうえにも燃え盛る。
「燃えてる、燃えてる。」たいていの人は満足そうにそうつぶやくのだ。
ところでこのふいごという存在。今使っている人はもちろん、見たことがある人でさえどれだけいるだろう。
うちのふいごは、この家を建ててくれた友人の大工、小野寺さんが、「俺の知り合いで、他のことはなんにも出来ないけどふいごだけは作れるやつがいるんだ。」というので買ってもらったものだが、火をおこす以外にも凍結防止の水抜きに大活躍している。
木と皮でできたまったく立派なものだ。
だけど、ふいごまっしぐらの人生を思うと・・・・・先行き不安だろうなあ。

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